「ねえ エリンシア姫は好きな御方がいるの?」テインタル王女との白の国の歴史などの勉強の後の二人だけのお茶会の時の事「最近 なんだか エリンシア姫は変わったわ 時々、うわの空で 恋する人の目になっている」「まあ、王女様たら そんな事はありませんわ!」まだ幼い少女であるテインタル王女に見抜かれるとは黒の王妃にも気がつかれたら どうしょうか一瞬 戸惑いの顔になるエリンシアに 悪い事を聞いたのかしら?と幼いながらも王女は思い話題を変える「私ね‥好きな御方がいるの・・」「え?」「異母兄妹である私の兄 黒の王子アーシュラン兄さま」ふっふふと頬を赤くして答える「知ってる? 血の濃さを重んじる黒の王族は 異母兄妹 婚姻は可能で許されるの」「早く、戻って来てほしいわお母様は アーシュランお兄様の事を嫌ってるけれど」「じゃあ そろそろ 部屋に帰ります 今日は有難うございます エリンシア姫様」ぺこりと頭を下げて 王女は部屋に戻っていったあのテインタル王女が恋しかも初恋が兄とは・・まあ 兄妹同士の婚姻が可能と言うならそれはそれで、良いかも知れない同じ不思議な深紅、焔の色の瞳を持つ、兄妹確かに 黒の王子アーシュランは まだ幼いながらキリリっとした美男子だった少々、吊り上がった、印象的な、あの焔の瞳あの黒の王妃の美貌を受け継いだ、テインタル王女なら、それはとても、美しい一対になるだろう。しかし黒の王妃は間違いなく猛反対するだろうがそんな事をエリンシアは考えた
いつものように開催される 黒の王達が主催する宴宴には ほぼ恒例となった 毎度のエリンシアの羽琴の演奏ある複雑な形をした羽琴 その琴を操る者はとても少ない心地よい素晴らしい演奏の後大貴族の一人と通り過ごしに 軽くぶつかった「おや これは失礼」「とんでもない こちらこそ・・あ、ヴァン伯爵」「これは 城の国の羽琴の姫君・・エリンシア姫」緩いウエーブのかかった黒の髪肩程に切りそろえ 黒い瞳の持ち主黒いローブの服 私服はU型で 首元には着飾りの文様の入った服がラインのロープに縁どられている 腰のあたりで勝首元と同じのその上から ベルトかわりに縛って結んでいる真金色の中の入た同じような細き金縁の細く入る紫色のルーブを 肩からななめに横からかけている「最近は 時間も出来て またこの宴に出れましたよ 姫貴方の演奏は いつも楽しみです」「有難うございます ヴァン伯爵さま」「では 向こうにいる大貴族の中の友人が待ってますので また次回の宴を楽しみしております 姫」向こうの人だかりの中に入りに行ったヴァン伯爵リュース公は あの人に気をつけなさいと言っていたすると今度は・・その本人 リュース公がエリンシアの元に来た「これは リュース公様 アルテイア姫はお元気ですか?」「ええ、元気ですよ 最近は魔法や剣の腕もメキメキと腕を上げてますよ特に 水の魔法が素晴らしい・・・いや、これは 私も親バカですね」「そんな事はありませんわ こちらの王宮で滞在されたときに見せてくれた水の魔法は素晴らしいものでした」「どんな 魔法でしたか?」「水を空中に浮かせて その水が蛇のように くねくねと動いたり水が 丸い輪になったりしてましたわ」「ああ、あれですね ところで 姫 先程 ヴァン伯爵と御話されてましたが?」「いえ、肩が軽くぶつかっただけで・・それから 私の演奏を褒めていただいた後お友達の方に行かれました」「なるほど...」小声で エリンシアは問う「本当にあの方は 危険な方なのですの?」「ええ・・危険ですよ」微笑みながら そう話すリュース公「また 黒の王の許可が頂ければ 私の城に 遊びに来てくだっさい アルテイア姫も楽しみに待ってますよ それから 羽琴の演奏は相変わらず 素晴らしかったです有難う エリンシア姫」「ではまた、黒
数日後の事・・エリンシアは リュース公がプレゼントしてくれた魚 彼の領地で取れた魚 その魚料理を一人で食事をしてる途中で 吐き気をもようしてトイレで慌てて 吐き出した「調子が悪いのかしら・・?」だが 度々 吐き気があった その原因は・・?黒の王との二人でいる夜 黒の王の為に羽琴の演奏の時に吐き気をもようした「申し訳ありません 王さま」「調子が悪い? いや、そうか・・私の子を孕んだな」無表情に事もなげに呟いた「!まさか!」「いや 間違いない 先読みの私が言うのだから」「・・・リュース公の元にゆくか?」「え?」「こんな事や戦(いくさ)が始まったら リュース公は 姫を預かると私と約束してくれた」「そこで 子供を産んで 赤ん坊を彼に預けて そこで白の国へ戻るもよしリュース公がそなたなら 再婚してもいいと言っている どうする?」「白の国の人質として ここに残るのは私が選んだ運命です他の方を また人質として 連れてくる事は出来ません」「・・また そなたの子供 確かエイル、エルトニアといったなその子が 再び人質として選ばれるか・・」ため息をついて 黒の王「では リュース公の花嫁となるか子供をリュース公に預けて また白の国の人質として黒の王宮で暮らすか?」「・・・」「まあ、ゆっくりと考えるがよい」「はい おおせのままに・・」「ところで そなたをまだ抱いても良いか?そう負担をかけぬようにする・・」「はい」黒の王はエリンシアを抱きしめ 唇を重ね唇をかさなたまま エリンシアの服の帯を緩め 服を脱がす白い身体が 王の目の前にあるエリンシアを抱え 寝床にそっと置き 自身の身体をゆつくり そっと、二人は再び重ねてゆく。金の髪を1つにまとめていたピンを取り エリンシアの豊かな美しい金色の髪天蓋付きのベットに広がる夜の月明りが二人を照らしていた。
それから数日後・・ある時 竜の顔をした竜をそのままの姿で人したような男が、いや老人が城を訪ねて来た「これは 黒の王妃アリアン様 先日の宴では素晴らしい羽琴の演奏を有難うございましたエリンシア姫様」彼は 以前 黒の王宮に同じ種族の戦士セルトと供に戦士として努めていたが歳を取り 引退して 店を開いた高級なレストランが1階にあり 2階は 宿になっていて そのレストランには 彼の描いた絵画が飾られて 売られてるというしかも 魔法の力が入った魔法画・・ゴトンと連れの物達が運んできた品物を床に置く大きな絵画が3枚1枚は 黒の王達の家族の肖像画 もう1枚は小さくこれは エリンシアを描いた絵最後の一枚は これも大きな絵で左右の違う瞳の4枚の羽を持つ白鳥・・「2枚は 王様に頼まれましてな・・1枚は 実は魔法画で 同じく似たようなテーマで描いた絵があと2枚ありましてな・・絵の中の物同士がそれぞれ仲良しではあったのですが黒の王が ぜひにと言われまして・・いえ 実この白鳥は貴方様をイメージして描いた物なのですから」ポンと軽く白鳥の絵に触れると 絵の中から 白鳥が現れた! 羽ばたき 柱の上の近くに留まりそれは美しい妙なる声で鳴き出す・・その声は まるで歌のようだった「なんて 素晴らしい」白鳥は うやうやしく頭を下げて 再び絵の中に戻った「喜んでいただけて 何よりです ところで エリンシア姫様戦士セルト殿の行方について ご存じありませんか?」戦士セルト・・黒の王に以前使えていた者黒の王子アーシュランの実の母親と恋人同士でその他に無実の罪で追放された者「確か・・先日 リュース公がら聞いた御話なのですが何でもヴァン伯爵の元にいるらしいのです 首には魔法の呪文が刻まれた 太い金の輪を首につけ 無表情で 何も話さず 人形のようだったとか・・」「まさかとは思いますが それは魔具・・魔法の呪文で 心を封じられてるのかも知れません操り人形のように 命令以外は 何も受け付けずに」心配そうに話す 竜の老人「同じ種族は少なくて・・少々 心配しておりました まあ 消息がわかっただけでも」「しかし もし 本当に 魔法で心を拘束されてるならば 何とか開放させてあげられるといいのですが」「本当ですわね」「では私はこれで・・どうぞ息
次の日の事だった。「ヴァン伯爵が?」 いつものように 部屋に訪ねて来た黒の王妃アリアンの為の演奏するエリンシア羽琴の演奏を終えてからの会話の中で 王妃アリアンが、それは少し心配そうに話すのだった。「ええ、そうなのよ、エリンシア姫、従弟のヴァン伯爵の事なのよ、聞いてくださる?」「ヴァン伯爵と全く連絡が取れなくて…」「私の実家のある地域で取れる珍しい果実を送ってもらおうとしたのだけれど…彼はどうやら、何処かに出かけたらしくて、それがひと月にもなるの」ため息一つ「こんなに長く連絡が取れないなんて、しかも他のヴァン家の家族、妻に子供達まで、みんな、何処に行ったのやら」「まぁ、そんな事」エリンシア姫は不思議そうな表情をして、王妃アリアンに答えるのだった。「実家の方も、まったくね、此処しばらく、様子が変だわ」また、軽くため息をつく王妃アリアン「それは、とても、ご心配ですね、アリアン王妃様」「そうね…どうしたものかしらね」「あら、そろそろ他の貴族の面会する約束の時間だわ ごめんなさ、では、またねエリンシア姫今日も素敵な演奏だったわ」「はい、王妃様、ありがとうございます」微笑してエリンシア姫は穏やかに答えた。
昔・・白の国の王族に 羽琴の姫君と呼ばれる美しい姫がいた・・。 金の髪に 青と薄紫のオッドアイの瞳の姫その昔 羽琴の姫君 エリンシアナは 白の国の統治者である 白の宗主に願い出でて こう言った「どうぞ 私を… エイル、エルトニア姫の代わりに 黒の国へ行かせてくださいませ」「エルトニアはまだ幼い子供 白の王族であれば 誰でも構わないはず あの子は大事な私の姉の忘れ形見の子供」 「お願いです!どうか願いを聞き届けてくださいませ」白の宗主は しばらく沈黙していたが やがて口を開いた「そなたは私の側室の一人 誰よりも素晴らしいあの扱いの難しい羽琴を奏でる者 そうそう 手放すと・・?」「宗主さま・・どうか・・」「自分の子供は可愛いか?」 ハッとして、目を見開いて、白の宗主を見るエリンシア姫「私が知らぬとでも、思っていたか?羽琴の姫君よ」「そなたが私の傍に、来る前に 跡継ぎ争いで 私が殺した私の弟が」 「そなたと恋人同士であった事など、前から知っていた」「密かに産んだ子供を子供がいなかった姉夫婦に託して 私に乞われるまま、いやいやながら私の側室になった」「同じ瞳 オッドアイの瞳、さすがは親子だ」 「まあ、良い、幾度抱いても、そなたは私に心を決して開かぬ いとまをやろう、何処へなりとも行くがいい」「だが、黒の国で何が起ころうとも、私はそなたを助けてやれぬぞ、良いな!」「はい、仰せのままに…この国の支配者、白の宗主様」
そうして数日後の事義兄とその幼い子供であるエイル・・エルトニアが彼女の居住する屋敷にやって来た「エリンシア姫様!叔母様!」幼い子供の明るい声駆け寄り 腕を広げたエリンシアのその胸に抱きとめられるエイル「まあ!エイル、エルトニア姫」「エリンシア姫」「お義兄様」呼ばれて 幼いエイルを抱きしめたまま 傍にいた男エイルの父親に微笑む「本当に 敵対していた黒の国へ行くのか?」「はい」「そなたには 申し訳ないと思っているよまさか、エイルが選ばれて 先々の事を思い困り果てていたらエイルの身代わりになろうとは・・」「身代わりなんて・・良いのです これで・・」「私の事は心配なさらないで・・今回は平和条約の対等な取引黒の国からは 黒の王子確 名前はアーシュランと言われたかしら?その御方が 白の国に来られるそうですから」「知ってるよ・・まだ彼も幼い子供で、私が預かる事になっている」「!まだ幼い子供なのですか?」「エルトニア、エイルより少し年上らしいが、そう年齢は変わらないと聞いているそうだ、黒の王の家族達の絵姿を描いた絵が送られて来たあとで見せてあげよう それに描かれてるだろうし」「有難うございます 義兄様、それにしてもエイル、エルトニア姫はしばらく見ない間に大きくなられましたね」「エイル、この子は両生体だから、どちらの性を選ぶのでしょうね?」エイルのオッド・アイ 片方が茶味がかかった金色 もう片方は天上の青・・可愛らしい整った容姿を ほれぼれと見る「どちらの性を選ぶとしても、綺麗な子になるでしょうね…ふふふ」「お茶とお菓子の準備は出来ていますわ」「本当?叔母様」「ええ…エルトニアが大好きなあの赤い果実テインベリーのケーキも用意してますよ」「叔母様 羽琴も演奏してくださいますか?」「もちろん! さあ中へどうぞ後から リアン様もおいでになるそうですわ」「リアン兄様も!楽しみ♪」「うふふっ」楽しそうに笑うエリンシア姫小1時間後ほど リアンが 白銀の髪をした女ケンタウロスの騎士をお供に伴い やって来た「リアン兄様!」エイルは嬉しそうに声を上げる「リアン様」微笑むエリンシア姫
「これはリアン様よく来られましたな」エイルの父親が答える「皆様、こんにちわ、久しぶりに会えて嬉しいです」リアンと呼ばれた淡い金の髪をした13歳前後の少年は微笑みながら、そう答えた。「リアン様、お供の方、ケンタウロスの女騎士…確かレグルス様は こちらにはお通しされなくてよいのですか?」「いえ、彼女レグルスは向こうで控えてるそうですただ、良ければ何か……」「ええ、お酒がお好きでしたね 召し上がれますか?」「いえ、それには及びません、一応、僕の警護 仕事中ですからね」「では、何か飲み物と軽い軽食でも 召使に用意させましょう」「有難うございます エリンシア姫様」「エリンシア姫様は いつもお優しくて 数年前に亡くなった身分の低い母をいつも庇ってくださって感謝してます」「そんな・・あの方は 物知りで 色んな事を教えて下さったわそれに 同じ白の宗主様の側室でしたからあの方こそ 私を何度も助けてくれましたわ」「エリンシア姫様」「さあ お茶とお菓子のお替わりは如何ですか?羽琴の演奏をしますが 何かリクエストがあれば?」「有難うございます では 夜想曲を・・」「あ!叔母様 僕は 雪花祭りの歌が聞きたいです」とこちらはエイル「はいはい わかりました では夜想曲から・・」羽琴と呼ばれる琴の楽器・・大きく 琴が幾つも 一つは正面と斜め横にと また3つ琴と弦が重なりあい下には 土台がそれらを支えてる小さな椅子に座り 巧にその弦を弾きらして 音楽を奏でている・・妙なる調べ・・次々と曲がリクエストされて夕方 近くまで その演奏会は続いた楽しいおしゃべりの後で・・「では エリンシア姫様 僕はこれで・・」「良かったら 夕食でも?」「いえ 明日 家庭教師から出される試験がありまして 帰って勉強しないと」リアンは答える「じゃあ!またねリアン兄様 僕らは夕食まで叔母様と食べるよ」「リアン様 また・・」「はい!また」リアンは 女騎士である白銀の髪のケンタウロスの背に乗り 帰路についた「リアン殿」そっと白銀の髪のケンタウロス・・美しい女騎士、戦士のレグルスが声をかける「二人だけの時は リアンでいいよ」「そういうわけにも・・な・・リアン殿ところで あれが 噂の羽琴の姫君か?向こう側の部屋にも演奏の音が流れてきたが 素晴らしいものだ
次の日の事だった。「ヴァン伯爵が?」 いつものように 部屋に訪ねて来た黒の王妃アリアンの為の演奏するエリンシア羽琴の演奏を終えてからの会話の中で 王妃アリアンが、それは少し心配そうに話すのだった。「ええ、そうなのよ、エリンシア姫、従弟のヴァン伯爵の事なのよ、聞いてくださる?」「ヴァン伯爵と全く連絡が取れなくて…」「私の実家のある地域で取れる珍しい果実を送ってもらおうとしたのだけれど…彼はどうやら、何処かに出かけたらしくて、それがひと月にもなるの」ため息一つ「こんなに長く連絡が取れないなんて、しかも他のヴァン家の家族、妻に子供達まで、みんな、何処に行ったのやら」「まぁ、そんな事」エリンシア姫は不思議そうな表情をして、王妃アリアンに答えるのだった。「実家の方も、まったくね、此処しばらく、様子が変だわ」また、軽くため息をつく王妃アリアン「それは、とても、ご心配ですね、アリアン王妃様」「そうね…どうしたものかしらね」「あら、そろそろ他の貴族の面会する約束の時間だわ ごめんなさ、では、またねエリンシア姫今日も素敵な演奏だったわ」「はい、王妃様、ありがとうございます」微笑してエリンシア姫は穏やかに答えた。
それから数日後・・ある時 竜の顔をした竜をそのままの姿で人したような男が、いや老人が城を訪ねて来た「これは 黒の王妃アリアン様 先日の宴では素晴らしい羽琴の演奏を有難うございましたエリンシア姫様」彼は 以前 黒の王宮に同じ種族の戦士セルトと供に戦士として努めていたが歳を取り 引退して 店を開いた高級なレストランが1階にあり 2階は 宿になっていて そのレストランには 彼の描いた絵画が飾られて 売られてるというしかも 魔法の力が入った魔法画・・ゴトンと連れの物達が運んできた品物を床に置く大きな絵画が3枚1枚は 黒の王達の家族の肖像画 もう1枚は小さくこれは エリンシアを描いた絵最後の一枚は これも大きな絵で左右の違う瞳の4枚の羽を持つ白鳥・・「2枚は 王様に頼まれましてな・・1枚は 実は魔法画で 同じく似たようなテーマで描いた絵があと2枚ありましてな・・絵の中の物同士がそれぞれ仲良しではあったのですが黒の王が ぜひにと言われまして・・いえ 実この白鳥は貴方様をイメージして描いた物なのですから」ポンと軽く白鳥の絵に触れると 絵の中から 白鳥が現れた! 羽ばたき 柱の上の近くに留まりそれは美しい妙なる声で鳴き出す・・その声は まるで歌のようだった「なんて 素晴らしい」白鳥は うやうやしく頭を下げて 再び絵の中に戻った「喜んでいただけて 何よりです ところで エリンシア姫様戦士セルト殿の行方について ご存じありませんか?」戦士セルト・・黒の王に以前使えていた者黒の王子アーシュランの実の母親と恋人同士でその他に無実の罪で追放された者「確か・・先日 リュース公がら聞いた御話なのですが何でもヴァン伯爵の元にいるらしいのです 首には魔法の呪文が刻まれた 太い金の輪を首につけ 無表情で 何も話さず 人形のようだったとか・・」「まさかとは思いますが それは魔具・・魔法の呪文で 心を封じられてるのかも知れません操り人形のように 命令以外は 何も受け付けずに」心配そうに話す 竜の老人「同じ種族は少なくて・・少々 心配しておりました まあ 消息がわかっただけでも」「しかし もし 本当に 魔法で心を拘束されてるならば 何とか開放させてあげられるといいのですが」「本当ですわね」「では私はこれで・・どうぞ息
数日後の事・・エリンシアは リュース公がプレゼントしてくれた魚 彼の領地で取れた魚 その魚料理を一人で食事をしてる途中で 吐き気をもようしてトイレで慌てて 吐き出した「調子が悪いのかしら・・?」だが 度々 吐き気があった その原因は・・?黒の王との二人でいる夜 黒の王の為に羽琴の演奏の時に吐き気をもようした「申し訳ありません 王さま」「調子が悪い? いや、そうか・・私の子を孕んだな」無表情に事もなげに呟いた「!まさか!」「いや 間違いない 先読みの私が言うのだから」「・・・リュース公の元にゆくか?」「え?」「こんな事や戦(いくさ)が始まったら リュース公は 姫を預かると私と約束してくれた」「そこで 子供を産んで 赤ん坊を彼に預けて そこで白の国へ戻るもよしリュース公がそなたなら 再婚してもいいと言っている どうする?」「白の国の人質として ここに残るのは私が選んだ運命です他の方を また人質として 連れてくる事は出来ません」「・・また そなたの子供 確かエイル、エルトニアといったなその子が 再び人質として選ばれるか・・」ため息をついて 黒の王「では リュース公の花嫁となるか子供をリュース公に預けて また白の国の人質として黒の王宮で暮らすか?」「・・・」「まあ、ゆっくりと考えるがよい」「はい おおせのままに・・」「ところで そなたをまだ抱いても良いか?そう負担をかけぬようにする・・」「はい」黒の王はエリンシアを抱きしめ 唇を重ね唇をかさなたまま エリンシアの服の帯を緩め 服を脱がす白い身体が 王の目の前にあるエリンシアを抱え 寝床にそっと置き 自身の身体をゆつくり そっと、二人は再び重ねてゆく。金の髪を1つにまとめていたピンを取り エリンシアの豊かな美しい金色の髪天蓋付きのベットに広がる夜の月明りが二人を照らしていた。
いつものように開催される 黒の王達が主催する宴宴には ほぼ恒例となった 毎度のエリンシアの羽琴の演奏ある複雑な形をした羽琴 その琴を操る者はとても少ない心地よい素晴らしい演奏の後大貴族の一人と通り過ごしに 軽くぶつかった「おや これは失礼」「とんでもない こちらこそ・・あ、ヴァン伯爵」「これは 城の国の羽琴の姫君・・エリンシア姫」緩いウエーブのかかった黒の髪肩程に切りそろえ 黒い瞳の持ち主黒いローブの服 私服はU型で 首元には着飾りの文様の入った服がラインのロープに縁どられている 腰のあたりで勝首元と同じのその上から ベルトかわりに縛って結んでいる真金色の中の入た同じような細き金縁の細く入る紫色のルーブを 肩からななめに横からかけている「最近は 時間も出来て またこの宴に出れましたよ 姫貴方の演奏は いつも楽しみです」「有難うございます ヴァン伯爵さま」「では 向こうにいる大貴族の中の友人が待ってますので また次回の宴を楽しみしております 姫」向こうの人だかりの中に入りに行ったヴァン伯爵リュース公は あの人に気をつけなさいと言っていたすると今度は・・その本人 リュース公がエリンシアの元に来た「これは リュース公様 アルテイア姫はお元気ですか?」「ええ、元気ですよ 最近は魔法や剣の腕もメキメキと腕を上げてますよ特に 水の魔法が素晴らしい・・・いや、これは 私も親バカですね」「そんな事はありませんわ こちらの王宮で滞在されたときに見せてくれた水の魔法は素晴らしいものでした」「どんな 魔法でしたか?」「水を空中に浮かせて その水が蛇のように くねくねと動いたり水が 丸い輪になったりしてましたわ」「ああ、あれですね ところで 姫 先程 ヴァン伯爵と御話されてましたが?」「いえ、肩が軽くぶつかっただけで・・それから 私の演奏を褒めていただいた後お友達の方に行かれました」「なるほど...」小声で エリンシアは問う「本当にあの方は 危険な方なのですの?」「ええ・・危険ですよ」微笑みながら そう話すリュース公「また 黒の王の許可が頂ければ 私の城に 遊びに来てくだっさい アルテイア姫も楽しみに待ってますよ それから 羽琴の演奏は相変わらず 素晴らしかったです有難う エリンシア姫」「ではまた、黒
「ねえ エリンシア姫は好きな御方がいるの?」テインタル王女との白の国の歴史などの勉強の後の二人だけのお茶会の時の事「最近 なんだか エリンシア姫は変わったわ 時々、うわの空で 恋する人の目になっている」「まあ、王女様たら そんな事はありませんわ!」まだ幼い少女であるテインタル王女に見抜かれるとは黒の王妃にも気がつかれたら どうしょうか一瞬 戸惑いの顔になるエリンシアに 悪い事を聞いたのかしら?と幼いながらも王女は思い話題を変える「私ね‥好きな御方がいるの・・」「え?」「異母兄妹である私の兄 黒の王子アーシュラン兄さま」ふっふふと頬を赤くして答える「知ってる? 血の濃さを重んじる黒の王族は 異母兄妹 婚姻は可能で許されるの」「早く、戻って来てほしいわお母様は アーシュランお兄様の事を嫌ってるけれど」「じゃあ そろそろ 部屋に帰ります 今日は有難うございます エリンシア姫様」ぺこりと頭を下げて 王女は部屋に戻っていったあのテインタル王女が恋しかも初恋が兄とは・・まあ 兄妹同士の婚姻が可能と言うならそれはそれで、良いかも知れない同じ不思議な深紅、焔の色の瞳を持つ、兄妹確かに 黒の王子アーシュランは まだ幼いながらキリリっとした美男子だった少々、吊り上がった、印象的な、あの焔の瞳あの黒の王妃の美貌を受け継いだ、テインタル王女なら、それはとても、美しい一対になるだろう。しかし黒の王妃は間違いなく猛反対するだろうがそんな事をエリンシアは考えた
平穏な日々・・穏やかに時は過ぎてゆく・・悲劇の時がゆっくり 忍び寄ってきているなどとは・・そう 知らずに・・そしてエリンシアは いつの間にか 黒の王妃の不在の日を心待ちしている自分そう黒の王妃の不在の時には ほぼ必ずと良い程夜半には 黒の王に呼び出される睦言を・・黒の王の瞳を深々と見つめ その美しい黒髪に触れる時が恋しくてたまらくなっている・・などと・・一糸纏わぬ肌に 黒の王がエリンシアの胸先に軽く触れて・・それから・・寝床の中で 身体を抱かれて エリンシアの腕が 黒の王の身体を抱きしめる首筋に触れている王の唇が時折 くすぐったい「あ・・」 王はクスクスと笑っている それは蜜のような甘い時間そして その後 甘い酒を王は口に含み それを口移しにそれを飲ませられる「ん・・」 「味は? 女性向けの蜂蜜入りの果樹酒だ 旨いかな?」「はい、黒の王」 何度もそれを繰り返して、エリンシア姫は沢山、酒を飲まされてそれは少し強い酒で、すぐに酔いが回る酔った身体、 再び王の身体がのしかかる 「あ・・!」しばらく後・・いつものように黒の侍従が呼ばれて、エリンシアを抱きかかえて人目につかぬように 庭を通り抜けてバルコニーから部屋に入り 寝床にそっと置かれ毛布をかぶせられる。侍従の中には 時に彼、黒の王アージェントの竜人アレルドもいた竜人アレルドはテインタル王女の守り人でもあるという「私は三人の王族 彼等の守り人、守護者です 王子のアーシュ様も」「アーシュ様には もう一人 セルトという竜人の守護者がいますが・・」一度だけ彼はそう言った変な話でもある 竜人の守護者は主にとっては一人だけのはず二人も竜人の守護者を持ったのは 700年前にいた黒の女王 伝説の火焔の女王ヴァルジニテだけエリンシアはぼんやりとしていたがバルコニーのドアがとても、小さな音を立てて、閉まった。黒の王妃への申し訳ない思い自分を慕ってくれてる、まだ幼さが残る美しいテインタル姫最近では 赤ん坊だったアリシュア王子も まだ幼い歩きと上手くは喋れないものの王妃達に連れられてやってきては 時にエリンシアの胸に抱かれて笑ったり すやすやと眠むたりするのだが「エ・・エり・・姫 好き・・」王子は 王と同じ金色の瞳で見つめてエリンシアの胸に抱かれて そう言っ
リュース公の娘アルテイシア姫だけでなく テインタル王女も勉強に加わったテインタル王女もアルテイシア姫も 飲み込みが早く みるみる内に砂に水が染み込むかのように 言語に歴史 白の国の事を習得していった二週間が過ぎようとした頃「本当に お二人とも 覚えが早いですわ あと1か月もしない内に言葉も文字も完璧に覚えてしまいますわね」二人にお茶とお菓子をふるまいながら 微笑むエリンシア「有難うございますエリンシア姫様」「有難うございます」二人ほぼ同時に礼を述べる「エリンシア姫様 アルテイシアは 剣術も魔法もとても上手よ!特に水の魔法・・ねえ アル♪」「テインタル、テイは 楽器の演奏と歌が上手よこの前のリュートの演奏と歌は素敵だったわ ねえテイ♪」年頃が少ししか変わらない幼い少女二人は 愛称で呼び合う程に仲良しになっていた◆ ◆ ◆話をしながらお菓子をほおばり 笑いあう二人に悲しい運命が待っていようなどと知らずに二人に微笑むエリンシア「ねえ そろそろ私の事はアルって言って エリンシア姫!」「わかりましたわでは 私の事をエリンと呼んでくださいね」ふっふふと笑いエリンシアは言ったバルコニーの窓を開け広げた庭には 青い空と花々に小鳥のさえずり 小さい噴水の水音・・穏やかで 楽しいひと時を彩っていたそれから1月のち・・白の国の言葉や文字を完璧に習得したアルテイシア姫は父であるリュース公が待つ 自分の城へと帰っていった「じゃあ!また また会おうね約束よ エリン!テイ!」元気よく手を振って 迎えに来たリュース公の部下を伴い翼竜に乗って帰っていった見えなくなるまで振り返ったままずっとアルテイシアは手を振っていた「またねアル!」同じく手を振るテインタル王女 「お元気で またアル・・アルテイシア姫」エリンシアそれはエリンシアとってアルテイシア姫とは二度と会う事のない約束となるテインタル王女がアルテイシアと再び再会する日は 時が流れて美しい娘たちへと成長して 敵対する二人として剣や魔法を交えての対峙する日の事
まだ幼いながらも美少女 長く美しい流れるよな黒髪、やや吊り上がったアーモンド型の大きな瞳美しい少女後に 戦姫黒の王、火竜王(サラマンデイア)になるアーシュランの片腕・・女将軍となるアルテイシア 妻の一人水と風の属性と守護を生まれながらに持ち特に水の魔法に長けていたゆえに のちに黒の国の水の竜の王の加護を手に入れる水竜の女王、そう呼ばれる事もそうして白の国から処刑されようとして逃げ出したアーシュランを助けるのも彼女の宿命、運命守護者である最後のリュース公であるアルテイシア「母親は 私の護衛の女騎士だったもの数年前に ちょっとした小競り合いの戦で毒矢を受け あえなく亡くなってしまいましたが・・」大事そうにアルテシアの頭を撫でるリュース公リジャイアヌスアルテシアは エリンシアに顔を向けて 微笑む◆ ◆ ◆部屋のドアをたたくノックの音「はい どうぞ・・」「遅くに御免なさい、エリンシア姫様」まだ少女であるリュース公の娘 アルテシイア姫が訪れた。「御気にされずに、どうぞ、いらしゃいませアルテイシア姫様」「アルでも構いませんよ エリンシア姫様」「まあ、そういうわけにも・・で・・ご用件は?姫」◇ ◇ ◇「白の国の事を知りたいの! それに白の国の言葉も文字もお父様も教えては下さるけど 本当はお忙しいし実は ちょっと語学はちょっと苦手なの・・」「黒の王宮では テインタル王女に白の国の言葉と文字を教えてると聞きましたわ」「ええ、その通りですわ」微笑むエリンシア「それだけじゃなくテインタル王女様とお友達になりたいの!」◇ ◇ ◇「素敵な事ですわ!では 黒の王宮にお越しになられるのですね」「ええ もちろん!しばらく滞在するわ もうお父様の許可は取ってあるの」「わかりましたわ 姫様 お好きなお菓子はありますか?勉強の合間に ご用意いたしますね」エリンシアは 子供好きであった 微笑みを浮かべるエリンシア「本当嬉しいわ! お菓子は・・」会話は続き そして早朝にはエリンシアはリュース公の娘アルテイシア姫を伴い 黒の王宮に戻っていった。
ある時 誘われて エリンシアは 王都から離れた リュース公の湖畔の城を訪れる紹介されたのは 彼の一人娘アル アルテイシア姫 テインタル王女とあまり変わらない年齢 彼の妻は亡くなったそうだ「はじめましてエリンシア姫様姫様はあの羽琴の名手だとか・・今宵の宴を楽しみにしてます」「羽琴は いにしえの4つの羽を持つ女神 その羽の形折り曲げて包み込むような 混じり合った羽 弦もまた 重なり合ってだから、扱いが難しいと聞いてます」「はい 姫様」リュース公の城は 湖畔に浮かぶ美しい城水竜が大きな水音を立てて泳いでいるのが バルコニーからもよく見える宴は多くのリュース公の縁りの者達や友人の貴族などが集まりエリンシアが思っていた以上に 華やかで賑やかであった一人娘 未来の女侯爵は 利発で活発多くの大人相手に 物おじもせずに会話を楽しんでいる宴のご馳走は 湖畔でとれた魚やこの地 地元の果実に 鴨などの肉料理それに白の国の食材を使った白の国の料理・・。リュース公が少し離れた場所に一人立っていたエリンシアに近づき話しかけてきた「どうぞ 楽しんで下さい エリンシア姫そうそう・・ちょっとした昔話などでもよいですか?」「はい」エリンシアは 美丈夫で金の髪のリュース公に答える「実のところ 私は白の国の血が濃くでて、子供の頃は両生体だったのですよ」「そうなんですの?リュース公様」驚くエリンシア確かに 白の国の者は 2人に1人が両生体で生まれるこの方も・・とは「20歳上の兄がいたので、私は女性になるように勧められて よくドレスも纏ったものです」この美しい顔立ち 美しい金の髪に青の瞳、すらっとした身体・・さぞや 美しい少女の姿だったのだろう・・。「一時は 当時まだ王子だった 黒の王に乞われて 側室候補にもなった事もありましたね」「彼とは 一時 恋人同士だったことも・・」含み笑い・・それから肩をすくめて 続けて話を続ける「なにせ 大貴族とはいえ 多くの白の国の血を引くリュース家・・この黒の国では 微妙な立場でね・流石に黒の王妃候補にはなれませんでした」「残念ながら10歳年上の兄が先の戦いで死んでしまったので 私は男性の性を選び、このリュース家を継ぎました。」。戦の間も白の国と親交もある 間を取り持ち 最初の使節の役目はリュース家の